表現力を鍛える方法について

表現力を鍛えたい、と考えていてもまず何から始めればよいのか非常に漠然としているため難しいものです。
全く初めての場合には、まず知識を吸収していくことから始めるのがよいかもしれません。書籍を読んだりするのはもちろんのこと、表現力を鍛えるためのセミナーなどを受講してみるのもおすすめです。ある程度理解が深まったと思えたら、次はその知識を自分のなかで深めていきます。具体的には、次のようなことをテーマとして考えてみると考えをまとめやすいです。

まず、表現する目的は何か。自分が本当に表現したいことについて、いま一度振り返ってみてその真の目的について考えをまとめます。次に、目的を達するために、足りないものを考えてその部分を補強していきます。そしてその反対に多すぎるものについても考えてみて、あれば削り取っていきます。そのあとに、受け手に伝えた時に相手がスムーズに受け止めやすいような流れになっているかを考えます。つまり、表現する内容について一つ一つがきちんと理解することができ、相手にとって分かりやすいかということです。このとき同時に、表現が遠回りになっていたりしてぼんやりとした内容になっていないかについても確認します。そして、表現内容が長すぎないか、もしくは短すぎないかを確認して誰にとっても最適だと思えるような長さを考えていきます。そして最後に、極端に受け手を選ぶような偏った表現内容になっていないかを考えます。以上のようなことをそれぞれ考えていくことで、自分にとってどうかではなく、相手の味方に立ってどのように伝わるかといったことが分かってきます。

これらの事は全て、頭の中で考える、理論的・理系的考えの組み立て方ですが、以上の過程を踏まえたうえで今度は全く逆の方向からアプローチしていくことも有効です。特に運動選手などの世界では、頭だけでなく心や体を一体として考え、それらのバランスが最適にかみ合った時に真に力を発揮することが出来ると言われています。つまりは、精神と体力、そして技術を一体として鍛えるということです。三位のバランスがうまく整い、丁度よくかみ合うと自己を表現する実力が発揮出来るだけではなく、人とは違った側面から物事を捉え、一種の独創的な思想も生まれることがあります。そういった過程を経ることでコミュニケーションに対するスキルも磨かれ、結果として自分を解き放った状態で表現をすることが出来るようになります。
頭で考える理論的な部分と、自己の表現を解き放つこと、この二つを同時に併せ持った状態でいることが表現力を鍛える方法といえます。